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天体観測ドームのある家で、星を見ながら暮らす
東京での仕事をリタイアし、軽井沢に移住を決めた建て主。
自然の中で、趣味の天体観測を友人たちと楽しみながら暮らせる”終の棲家”を求めた。
余暇に趣味を楽しむための別荘ではなく、あくまで生活をする住まいを創るに当たって、天体観測ドームをいかに住居に組み入れるか、その距離感や方法が課題となった。
そこで、天体観測ドームと分離しながらも、それと共存した生活空間を提案。
天体観測を楽しみながら食事や会話を楽しめるよう、室内のLDKから大きく張り出した庇の下にアウトドア・リビングを設けた。
アウトドア・リビングは住居とドームの2つの棟を繋ぎ、これらの空間に一体感を持たせる役割を担っている。
望遠鏡で見た星をパソコン画面でも見られる機能を取り入れ、家の中でも観測を楽しむことができるように。
ドームと住居は離れているものの、趣味と生活は切り離さないよう考慮した。
軽井沢は湿度が高いため、室内の通気性や湿度の調整にも配慮が必要となる。
窓の配置を工夫するだけではなく、構造には独自に開発した木組みを採用した。
また、空間の縦横比すべてを、黄金比である5対8で構成。
美しく整った、端正な空間をつくった。
趣味を楽しむのみでなく、快適な暮らしを追及した家。
心地良い住まいで、星空を満喫しながら生活を愉しんでいる。
外観
天体観測ドームと住居の間には、大きな庇に覆われたアウトドア・リビングが。
趣味の空間と住空間をゆるやかに繋ぐ。
南側外観
南側から見ると、宙に浮いてるかのように軽やかな外観。
傾斜地に突き出すようにして建っている。
周囲の自然との調和や湿度調整のため、外壁は「*下見張り」に。
*下見張り…板張りによる壁仕上げのひとつで、板を横に張る仕上げのこと。
アウトドアリビング
大きく張り出した庇の下に設けたアウトドアリビングが内と外とを繋ぐ。
ここで語らいながら、星空を愉しむ。
アウトドアリビング
室内LDKから続くアウトドアリビング。
下見張りの柱がアクセントとなっている。
戸外からLDKを見る
室内LDKとアウトドアリビングの間の開口はフルオープンすることができ、内と外との境界を曖昧にする。
LDKから天体観測ドームを見る
LDKから天体観測ドームまで見渡すことができる。
リビングダイニング
リビング・ダイニングは、ゲストとのコミュニケーションがとりやすいよう、あえてコンパクトに。
テーブルとキッチン天板には、無垢の杉板を使用した。
リビング
大勢の友人をもてなすために、リビングには大きなソファとテーブルが。
和室
2階東側には畳コーナーを設けた。
バルコニーからは豊かな緑を望むことができる。
書斎
リビングと和室の間に設けた書斎コーナーからドームの方を見る。
上部の窓が周囲の緑を切り取り、白い壁とのコントラストが美しい。
階段
LDKや書斎があるのは2階。
1階には寝室や浴室がある。
パウダールーム
1階にあるパウダールーム。
バスルーム
木の温もりを感じるバスルーム。
東側外観
外観切妻屋根に覆われた、木造住宅らしい外観。
写真:小川重雄写真事務所 http://ogawa-studio.com/