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3つの庭を配した、緑溢れる街路のような家

駅が近く便利なエリアにある、夫婦ふたりが住まうための平屋。
利便性は高いが周囲に自然が少ない住宅地のため、プライバシーを守りつつ住まいに緑を取り込みたいと考えた。

そこでイメージしたのが‟街路”。
食事や読書、休憩など住み手がその時々に場所を選択し、自由に過ごせるように部屋の役割を曖昧に。
延べ床面積約126㎡の内部空間には間仕切りを設けず、主空間と居室との床レベルや床の材質を変えて緩やかに空間を分けた。

そのワンルーム空間に緑をもたらすのが、ガラスに囲まれた大小3つの庭。
それらの庭を囲むように各居室が配置されており、中庭を軸として8の字に回遊できるようになっている。
緑溢れる家の中で過ごすと森林を散策しているような心地よさがあり、ここが住宅街であることを忘れてしまう。

まるで自然の中で暮らしているかのような、自由で伸びやかな住まいとなった。

ダイニングから中庭を見る

ダイニングから中庭を見る

住まいの中心には3つのうち最も大きな中庭を配した。
ガラスに囲まれた庭は、緑を眺めるためのショーケースのよう。
天井高は最高3.8mあり、片流れとなっている。

リビングから中庭を見る

リビングから中庭を見る

中庭を中心に家全体を回遊できるようになっており、行き止まりがない。

リビング

リビング

ソファを置いたスペースは両側に庭があり、林の中で寛いでいるような感覚になる。
チーク材の床は、石貼りの床より45cm高い。
間仕切りを設けず、床レベルの変化と3つの庭によって生活スペースを緩やかに分けている。

玄関から見た室内

玄関から見た室内

石貼りのスペースは普通の住まいでは廊下になるところだが、幅を広くとってフリースペースに。
街路の幅が広がった部分が部屋になるイメージで、住み手が自由に使える空間をつくった。

ベッドルーム

ベッドルーム

木の床から45cm下げたところをベッドスペースに。
正面にも右手にも庭の緑が広がる。
床には洗い出しテクストンを使い、ほかのスペースと異なる印象にした。

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ユーザー

石井秀樹建築設計事務所
東京都 建築家

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