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投稿記事
高梁川の東側にあたるこのエリアは、豊かな水に恵まれ昔から水田が拡がり、焼杉に漆喰壁の農家住宅が点在していました。近年幹線道路が整備され、市中心部へのアクセスが便利になったことにより、急速に住宅が立ち並ぶようになりました。この敷地は南北に住宅が迫っていますが、西側の土手方向には大きく拡がりがあり、この拡がりを住宅に取り入れることを端緒に設計を進めました。黒の下屋部分には水廻りを集め、また白の2層部分には各居室を集め、中央の吹抜け空間を介して南北明快に分けています。延床約28坪程度とやや小さめの住宅ですが、中央に大きな吹抜け空間を作ったり、各部屋をあまり間仕切らずに開放的な作りとすることで、28坪とは思えない程の拡がりを感じれるようにしています。外観はこのエリアに昔から佇む焼杉に漆喰壁の住宅の外観を踏襲し、歴史の延長線上に位置するデザインとしています。
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多彩な空間が豊かな表情を見せる”アルゴリズム”
房総半島中部・君津市鹿野山にある週末住宅。 この見物は雄大な渓谷を見下ろす傾斜地に佇んでいる。 建物の外観は単純なキューブ。内部空間は田の字平面が二層に重ねられ、空間を仕切る壁面と床面と天井にキューブが入り込み、空間を抉り切り取っている。キューブ同士の角度はアルゴリズムによって相互に一定の値で角度がずれているのが最大の特徴だ。 アルゴリズムで定義されたキューブの回転角によって、それぞれの空間が多様に切り取られ、その小口はそれぞれの室に多様な空間を生み出している。 日中は天井のトップライトが光を室内に充満させ、内部空間は予想しない方向から光線が交錯する。 敷地の傾斜値に合わせてキューブの回転角が設定されており、空間内部には雄大な自然の風景を集めたように取り込まれ、風景と内部の一体感が感じられる。 独特のアルゴリズムという空間構成は、自然の風景を取り込みつつ新しい身体感覚を感じられる週末住宅の完成に繋がった。
柄沢祐輔建築設計事務所 東京都 建築家