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土間・縁側で包む町家リノベーション

土間・縁側で包む町家リノベーション

奈良市にある大正時代に建てられた住宅のリノベーション。建物は主に借家として用いられ、何度かの増改築を経て空き家になり放置されていました。雨漏りや蟻害によって柱・梁や土壁が深刻な被害を受けており、庭に増築された水廻りと伸び放題の樹木によって鬱蒼とした状況でした。建替えも検討しましたが、3面道路後退の影響で同規模の建物が建たないことや、お施主様が町屋に住みたいという強いご希望をお持ちだったことからリノベーションを選択しました。しかし土壁を耐震補強し伝統構法で修復するためには新築を超える時間や費用が必要です。また家全体を断熱補強・高気密化すると屋内と屋外が緩やかに繋がった町屋らしい雰囲気も壊れてしまいます。そのためコンパクトな居間を家の中心に据えて現代的な工法で耐震補強・断熱補強を行ない、その周りを玄関・収納・ガレージ・縁側・トイレ・書庫・階段から成る半屋外の「透き間」で囲んだ入れ子状の間取りとすることで、コストを押さえつつ、屋内・半屋内・屋外の3つの領域が重なり響きあうような、町家の雰囲気を引き継いだ住まいを設計しました。

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賃貸物件をリノベして理想の店舗兼住宅に

店舗部分外観

新しい店舗が増えている県内でも人気のエリアで、偶然空き家を見つけた建て主。 交渉の末、築40年の店舗付き住宅とその隣に棟続きになった住宅、2軒を賃貸してフルリノベーションすることに。 もともと店舗だった部分は、奥様が営む洋服と雑貨のショップに。 住居の玄関は店舗の入り口とは別に設け、空間を分けた。 居住空間の1階は、たくさんの友人を招いてもてなすことができる、吹き抜けのダイニングを中心に広がる。 玄関からダイニング、キッチンまでひと続きになっており、開放的な大空間となっている。 既存の柱を現し、その柱が上下を貫くように見せることで、縦の方向へと広がりをもたせた。 内装は既存の構造材の素材感に合わせてオイルステインで仕上げるなど、古い物が持つ魅力を生かした、味わいある雰囲気となった。 2階にはリビングと、作家活動をしているご主人のためのアトリエ、寝室や水回りを配置し、プライベートな場所に。 アトリエと水回りは箱の中に収まるようになっており、それらの箱の外にリビングを、アトリエの箱の上に寝室を配置した。 空き家を賃貸してリノベーションすることで、理想の店舗と住まいが実現した。

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